帰化申請の流れ

日本国籍を取得するためには、法務局に帰化申請をする必要があります。この記事では、帰化申請の全体的な流れをわかりやすく解説し、つまずきやすいポイントや審査期間の目安についてもお伝えします。なお、この記事で解説する帰化申請の流れは、あくまでご自身で申請する場合のものです。行政書士に依頼する場合は、より簡略化した手順で申請することが可能です。

目次

帰化申請 8つのステップ

帰化申請は、大きくわけて以下のようなステップで進められます。

①法務局に相談予約
②法務局で事前相談
③必要書類の収集・作成
④法務局で書類のチェック
⑤法務局に帰化申請
⑥法務局で面接
⑦審査
⑧許可・不許可の通知

以下、それぞれのステップについて詳しく解説します。

①法務局に相談予約

帰化申請の第一歩は、最寄りの法務局に相談予約を入れることです。法務局の窓口は非常に混み合うため、事前の電話予約が必須です。法務局によっては、予約の電話で帰化申請の要件を満たしているか口頭で確認され、その時点で要件を満たしていないと判断されると相談を拒否されるケースもあります。予約可能な時間帯は平日の午前8時30分から午後5時15分までです。法務局にもよりますが、予約は1ヶ月以上先になるケースが多く、東京法務局などの混んだ法務局では半年ほど先になる場合もあるため、余裕を持った行動をおすすめします。

注意点

・開庁時間外や予約なしでの訪問は受付されません。
・相談予約は1ヶ月~半年ほど待ちのケースが多いので、早めの行動が必要です。
・事前にお住まいの地域を管轄する法務局を確認してください。

②法務局で事前相談

予約日に法務局を訪問し、担当官から家族構成や職業、来日した経緯や申請理由などを詳しく確認されます。ここで帰化申請が可能と判断されたら、必要書類について指示が出ます。申請者の状況によって求められる書類が異なるため、指示内容をよく確認してください。この法務局での事前相談には、通常1~2時間程度かかることが多いです。

③必要書類の収集・作成

事前相談で法務局から指示された書類をすべて収集します。書類は日本の役所で収集するもの、本国から取り寄せるもの、お手元にあるもののコピーなど多岐にわたります。人によっては100枚以上の書類が必要となることもあり、かなりの時間と労力を要する作業です。本国書類に関しては、場合によっては一旦帰国しなければ収集できないケースもあります。

また、帰化許可申請書や履歴書などの、作成が必要な書類も並行して準備していきます。約10枚前後の資料を日本語で作成し、その他証明書類と整合性が取れているかを確認します。申請内容に疑義があると、追加資料の提出を求められたり、許可が下りない可能性が高くなるため、慎重に作成する必要があります。

注意点

・本国から取り寄せる書類には日本語翻訳と、翻訳者の署名・捺印が必要です。
・書類には有効期限が設定されているものがあるため、申請時期を計算に入れて取得する必要があります。

④法務局で書類のチェック

書類が準備できたら、再度法務局に予約を入れ、書類を持参して法務局を訪問します。書類に不備がないか確認してもらい、不備があれば修正や追加書類の提出が求められます。必要書類が揃わなければ受理されないため、場合によってはこの「追加書類を持って法務局を訪問する」という手順を何度か繰り返す可能性もあります。この書類のチェックにも、1〜2時間程度かかることが多いです。

書類に問題がなければ、申請受付日時が決定されます。東京法務局など一部の法務局では、書類が揃っていれば即日受け付けてくれることもあり、その場合は次の⑤は省略できます。

⑤法務局に帰化申請

決められた日時に改めて法務局を訪問し、帰化申請書類一式を正式に提出します。

⑥法務局で面接

申請受理の約1~3ヶ月後に法務局から電話で面接日の連絡が来るので、決められた日時に法務局を訪問します。面接は数十分~約2時間程度で、申請書類の内容確認や帰化の動機について質問されます。既婚の方は、配偶者の同席を求められる場合が多いです。この面接日に、日本語テストを受けるケースも少なくありません。また、申請した勤務先に実際に勤務しているかの確認のために、定期券の提示を求められることもあります。

⑦審査

提出された書類に基づき、法務局が詳細な審査を行います。この期間は基本的には「待ち」ですが、期間中に追加書類の提出指示や追加質問がある場合もあります。また、審査の過程で法務局の職員から、申請者の勤務先や学校、実家などに確認の電話が入ることもあります。場合によっては、事前に日時を指定され、法務局職員が自宅や職場に訪問してくることもあります(特別永住者の場合は、原則として在籍確認や自宅・職場訪問は免除とされています)。

以上のような詳細な審査を経て、法務局の担当者が条件を満たしていると判断すると、申請書類は法務局から法務省に送られ、最終的には法務大臣によって許可・不許可の決定がなされます。審査期間は平均1年から1年以上で、人によっては2年かかることもあります。

⑧許可・不許可の通知

許可が下りると、官報に許可を受けた方の住所・氏名・生年月日が掲載されます。そして、法務局から申請人本人にも連絡が入ります。不許可の場合は不許可通知が届きます。

終わりに

以上のように、帰化申請の準備から結果通知を受け取るまでには、かなりの時間と労力が必要です。行政書士に帰化申請を依頼した場合、それらの工程の多くを行政書士が担当してくれるため、時間と労力を大幅にカットできます。また、それら作業に伴うストレスからも解放されるのも大きなメリットといえます。

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